結露は建築物の腐食、カビ・害虫の発生、人の転倒など様々な損失を招きます。そのため施工会社と施主、施主と顧客間で深刻なトラブルに発展するケースも見受けられます。なぜ対策を繰り返しても結露が収まらないのか。それは結露の原因やメカニズムを正確に判断できていないためです。
「結露が発生したから換気を増やしましょう」はよく聞きますが、すべての結露に有効な対策ではなく、その原因によってはむしろ結露がひどくなることもあります。しっかりと起こっている結露の原因をつかみ、結露の種類を特定して全貌を明らかにすることが大切です。
ここでは結露のしくみと、結露の種類について解説します。
結露の発生原理
冷たい物質に湿気を含んだ空気が触れて、空気が露点温度を下回ることによって起こる。つまり、物質の表面温度が周囲空気の露点温度より低いと結露に至る。
すべての結露はこの根本原理にアプローチした対処をすれば解消することができます。
これを単純に「部屋の温度差が大きいから結露している」だとか「空気が滞留しているから換気して拡散しないと」と思うと費用が莫大にかかるだけでなく、より一層結露がひどくなることもあります。結露対策とは様々な要因を分析して原因に合った方法で、物体の表面温度もしくは空気の露点温度をコントロールするということに尽きます。
私たちは結露診断のためにサーモグラフィ等による温度測定、差圧チェッカーによるエアバランス調査などの環境測定をしています。図面を見るだけでもリスクを把握できますが、実際に見てお客様に事象を説明しながら納得のいくご提案ができるように努めています。