結露を放っておくとさまざまな損失を招きます。結露が引き起こす問題は、発生した水滴が直接的に引き起こす場合と、水滴からカビが生えて衛生的な問題になる場合と、それらを放置しておくことで想像以上に甚大な被害になる場合があります。ここでは結露が引き起こす数々の問題をご紹介します。
菱熱独自の診断ツールによる結露メカニズムの解明 エネルギー可視化診断
結露を放っておくと起こること
目 次
- 1.水滴による被害
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- ①床が滑ることによる転倒などの労災
- ②商品への水滴の落下・付着
- ③水滴跡がつくことによる見た目のきれいさ低下
- 2.カビの発生
-
- ①人体への健康被害
- ②衛生管理レベルの低下
- ③不潔な印象
- 3.建材や設備の腐食
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- ①天井の崩落等事故の危険性
- ②設備の耐久年数減少によるランニングコストの増加
- ③機器の故障による生産停止
目 次
- 1.水滴による被害
- ①床が滑ることによる転倒などの労災
- ②商品への水滴の落下・付着
- ③水滴跡がつくことによる見た目のきれいさ低下
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2.カビの発生
- ①人体への健康被害
- ②衛生管理レベルの低下
- ③不潔な印象
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3.建材や設備の腐食
- ①天井の崩落等事故の危険性
- ②設備の耐久年数減少によるランニングコストの増加
- ③機器の故障による生産停止
1.水滴による被害
①床が滑ることによる転倒などの労災
床が冷えて、床面で結露する場合があります。他には、天井面での結露水が落ちて床を濡らす場合もあります。転倒事故は従業員の労災だけでなく、来場者のある場所ではお客様の怪我につながり、大変高いリスクをはらんでいます。転倒事故は労働災害のなかで最も件数が多く、女性や高齢者に多い傾向があると報告されています(厚生労働省HPより)。
②商品への水滴の落下・付着
天井や部材等の結露水が落下することで、大切な商品等を濡らしてしまうこともあります。商品の損失になるだけでなく、そこから発生する衛生的なリスクをはらんでいます。結露はカビの発生のもとにもなり、基本的にきれいなものではありません。それが商品、特に食品など人が口に含むものに滴下すれば、そこから菌が繁殖する可能性があります。
③水滴跡がつくことによる見た目のきれいさ低下・掃除のしにくさによる衛生度低下
一度水垢となると落とすのは大変で、見た目も汚くなりますし、そこからさらに汚れが蓄積していく原因になります。また、錆びることによって変色、腐食していくので見た目だけでなく、老朽化も通常より早いスピードで進みます。
2.カビの発生
①人体への健康被害
結露が続くとカビが発生します。カビは根を張り胞子を放出し、どんどん広がっていきます。カビは空間にカビ特有の臭いを発します。カビの多い空間では居るのが苦痛になることがあります。カビは真菌性肺炎などの感染症やアレルギー反応などを引き起こします。カビの発生した空間に長時間身を置くのは病気にり患するというリスクを負うことになります。
②衛生管理レベルの低下
そもそもカビが発生した空間で商品の製造・販売をおこなうことは商品の衛生管理レベルが高いとは言えません。また、カビが風景化することで従業員の衛生管理意識の低下にもつながります。一般衛生管理(※1)の土台でもある5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、習慣)は従業員一人ひとりの意識によって実施の効果が得られるものです。きれいな空間でこそ人はきれいに保とうとしますが、汚い空間では「これくらいでいいや」という意識が蔓延し、より汚い空間になっていきます。現場の意識の低下によりさらに衛生管理レベルが下がっていくのです。
※1一般衛生管理:食品の安全性を確保する上で必ず実施しなければならない基本的な事項(厚 生労働省HPより)
③不潔な印象
飲食店や店舗施設で、カビがお客様の目に触れると不潔な印象を与えてしまいます。不潔な印象を持たれてしまうことは飲食店にとって致命的なものです。飲食店経営において欠かせない重要項目「QSC」をご存じでしょうか。
Q:クオリティ(品質)
S:サービス(接客)
C:クレンリネス(清潔さ)
上記の3つの項目の頭文字をとってQSCと言います。お客様にとってお店の清潔さは商品のクオリティと並んで重視しているポイントで、顧客が再来するかどうかを決めるファクターでにあります。清潔さを保つことは長期的に経営をしていくうえで重要です。
3.建材や設備の腐食
①天井の崩落等事故の危険性
まさかこんなことになるなんて…というようなことが現実に起こります。結露は空気中の水分が凝縮して水滴になるものですが、そんな小さな一粒一粒も広範囲で発生すると時間経過で天井裏にプールをつくるほどになります。水滴が落ちてくるのを放置すると、だんだん天井がたわみ、ついには水の重さに耐えられず天井が崩落します。重大な事故につながるのが結露の恐ろしさです。機器や設備、商品の損失だけではなく安全にも関わります。
②設備の耐久年数減少によるランニングコストの増加
建材や建築設備等に結露が発生すること、多くの場合錆びます。錆びることによって部材が痛みますから、その分壊れるのが早くなります。結露の発生する空間ではランニングコストが大きくなることが考えられます。
③機器の故障による生産停止
先述した部材等が錆びることでのランニングコストの上昇のほかにも、さらに困ったことになる場合もあります。結露が電気ボックスや電気部品に発生することによる、機器の故障です。生産機器の場合、突然の故障によって生産に影響が出ることがあります。
White Paper 食品の安全性確保のための食品製造設備の衛生管理~陽圧化と結露